立派に育ったにんにくをお届け

にんにくは、夏に種を割り、選別をして、秋に畝たてをして定植、冬の寒さに耐えているにんにくを私達
人間が手助けをし、桜の花が咲く頃から旺盛に成長し、ゴールデンウイーク頃にはトウ立ちしてきます。
そのにんにくの芽を摘み取り、やがて、地下茎が膨らんできて、梅雨入り前に収穫をします。
その後、乾燥させて、梅雨明け頃、調整、選別を経て、ようやく皆様のお手元に届ける事ができます。
そんな自然の恩恵と厳しさに耐えて、立派に育ってくれたにんにくを皆さまにお届けします。

にんにくマイスター まぁやん

(オーナー 高橋昌也)

私にとってにんにくは「意中の恋人」です。
多くの野菜と違い、必ず裏切ってくる存在です。
そういう難しい野菜だから、プロとして栽培する醍醐味が生まれます。肥料や水の管理も毎年変わりますし、防除作業や除草作業もこちらに振り向いてもらうように様子を見ながら適期作業に努めています。

まぁやんのにんにくコラム

column

  • 冷蔵種子とは?ニンニクの収穫を早める技術

    野菜の栽培では、収穫時期を早めたり、作業時期を分散したりするために「冷蔵処理」という技術が使われることがあります。身近な例がイチゴです。一定期間低温にあてた苗を暖かいハウスへ移すことで、「春が来た」と感じさせ、花芽を早く出しやすくします。 冷蔵施設がなかった時代には、標高の高い山へ運んだり、氷穴を利用したりしたともいわれ、低温を利用する技術は古くから行われてきました。 ニンニクでも、この低温を利用した「冷蔵処理」が行われています。 ニンニクの「冷蔵種子」とは? 一定期間、冷蔵処理をしたニンニク種子を「冷蔵種子」と呼びます。ニンニクの冷蔵処理は、鱗片分化を促したり、スポンジ球や二次成長といった生理障害のリスクを軽減したりすることを目的に行います。 さらに大きなメリットが、早掘りを目指せることです。収穫時期を早めることができれば、有利な時期での販売につながります。また、その後の夏野菜や水稲の準備にも余裕ができ、農作業を分散しやすくなります。ただし、冷蔵すれば必ず良い結果が出るわけではありません。 設定温度・処理期間・品種・出庫から定植までの日数・植え付けのタイミングなどを間違えると、期待した効果が得られず、逆効果になることもあります。メリットの裏側にリスクもある技術なのです。 冷蔵処理は「5℃」がひとつの目安 冷蔵処理では、設定温度5℃がひとつの基準になります。ただ、それ以外の条件については「この方法なら100%良い結果が出る」というスキームが、今のところはっきりしているわけではありません。 私自身を含め、多くの農家が経験則やさまざまなデータをもとに冷蔵処理を行っていますが、実際の運用では「安定しにくい」という声も聞きます。例えば、冷蔵庫を5℃に設定しても、実際には±2℃程度の温度変化があります。霜取りの時間帯には温度が上がり、扉を頻繁に開閉すれば、庫内の温度も安定しません。 そのため菜園おおのはらでは、冷蔵庫や予冷庫を事前に冷やし、庫内が5℃で安定してからニンニクを入れ、冷蔵処理中は基本的に開閉しないようにしています。処理期間はおおむね30日前後。ただし、温度と処理期間の組み合わせには農家ごとの経験があり、「これが絶対に正解」というものではありません。 品種によって効果も変わる 冷蔵処理は、どのニンニクでも同じように効果が出るわけではありません。品種によって向き・不向きがあり、同じ系統でも生産者や細かな地域の違いによって効果が変わるように感じています。基本的には「赤い系統」のニンニクに適しており、菜園おおのはらで扱っているものでは、蒼山系が最も良いパフォーマンスを示しています。 5年間の試験で分かってきたこと 菜園おおのはらでは、約5年前から冷蔵処理技術の確立を目指して試験栽培を続けてきました。複数の品種を使い、生産者や細かな地域まで分けると、毎年10種類程度を試験。その中で、蒼山系の特定地域で生産されたニンニクの成績が良いことが分かってきました。 また重要なのが、冷蔵施設から出した後です。冷蔵処理後に長期間保存すると成績が低下し、菜園おおのはらでの試験では、出庫後おおむね20日程度までに定植する方が良いという結果になっています。30日を超えると「ボケてしまう」ような感じがあり、成績が良くありません。 つまり冷蔵種子は、冷蔵処理そのものだけでなく、「冷蔵庫から出して、いつ植えるか」まで含めた管理が重要なのです。 「割り種子」と組み合わせて、もっと使いやすく もうひとつ、農家にとって大きな負担になるのが種子割りです。9〜10月は秋冬作の準備と重なる農繁期。私自身も野菜を生産していますが、とても種子を一片ずつ割る時間まで確保できないことがあります。 そこで考えたのが、あらかじめ一片ずつに分けた「割り種子」です。ただし、割り種子には、割る前のニンニクがどのような状態だったのか確認しにくいという問題があります。一見きれいでも、元のニンニクに傷みや病害虫の被害があったのかは、見ただけでは判断しにくくなります。 少し余談ですが、私は父の方針で、学校給食までハンバーグを食べたことがありませんでした。理由を聞くと、「何の肉が入っているか分からないから、安心して食べられない」とのこと。この話、実は「割り種子」にも少し通じます。バラバラになってしまうと、元がどんなニンニクだったのか見えにくくなるからです。 だからこそ菜園おおのはらでは、長年「ホール」の状態にこだわって販売してきました。 その後、信頼できる輸出業者や現地で協力してくれる方が見つかり、作業日時を指定してビデオ通話などでチェックできる体制も整いました。 令和5年から試験導入を行い、「割り種子の品質確保」と「冷蔵処理技術」の両方が整ったことから、令和7年よりホームページでの販売を開始しています。 冷蔵種子でも、基本の栽培が大切 冷蔵種子には、早掘りなどのメリットがありますが、使えば必ず良いニンニクができるわけではありません。ニンニクは栽培期間が長く、その間の環境や育て方によって、収量や品質も変わってきます。冷蔵種子のメリットを活かしながら、基本を大切に育てることが重要です。

  • 種子用ニンニクとは?青果用との違いと正しい選び方を解説

    ニンニク栽培では、普段私たちが食べているニンニクそのものを「種子」として植え付けます。 では、種子用として販売されているニンニクと、スーパーなどで販売されている青果用ニンニクには、どのような違いがあるのでしょうか。 実は見た目だけでは、ほとんど区別がつきません。 今回は、ニンニク種子の特徴や寿命、青果用ニンニクが種子に適さない理由、そして種子選びで大切な「温度管理」について、順番に解説していきます そもそも「種子用ニンニク」とは? ニンニクは、球を一片ずつに分けた「鱗片(りんぺん)」を植えると、そこから芽が出て成長します。専門的には「栄養生殖型」に分類され、種を介さず、植物の一部から自分自身を増殖させていきます。 鱗片とは、ニンニクをバラバラにしたときの一片一片のことで、「子球(子ニンニク)」と表現されることもあります。同じように栄養生殖で増える野菜には、ジャガイモやサツマイモがあります。地下茎ではありませんが、ランナーによって増えるイチゴも同じ分類です。簡単にいえば、「種を介さずに増える無性生殖の一種」です。つまりニンニクの場合、私たちが普段食べている部分そのものが、次のニンニクを育てるための「種子」になります。 野菜の種子はどのくらい保存できる? ニンニクの話に入る前に、一般的な野菜の種子について見てみましょう。多くの野菜の種子は、長期間保存する場合、湿気を避けて冷暗所で管理します。未開封の状態であれば、5〜10℃程度の冷蔵設備で保管されるのが一般的です。当年中に使い切る場合は、常温で保管することもあります。  種子の寿命は野菜によって異なり、トウモロコシ・カボチャ・キュウリなど……5〜10年程度レタス・キャベツなど……5年程度ネギ・タマネギなど……2年程度とされています。 特にニンニクと同じ仲間に近いネギやタマネギは、比較的種子の寿命が短いため、生産者はできるだけ早く使い切るようにしています。 プロ農家にとって発芽率の低下は収入減に直結します。また、新品種が発売されることもありますし、使わない種子を長期間保管することは、その分お金が寝てしまうことにもなります。そのため、基本的には新しい種子から使っていきます。少し話はそれますが、お米の場合、農研機構の研究等によれば種子として17.5年の寿命があるとされています。ただし、実際の運用では2年程度までとされています。また、キャベツなどでは、プロ農家から「数年間冷蔵庫で保管した種子の方が安定する」という話を聞くこともあります。キャベツ農家ならではの裏技なのかもしれません。 ニンニクは長持ちするのに、なぜ種子としての寿命は短い? ニンニクは比較的保存性の高い野菜です。糖度は30〜40%と高く、そのことも腐りにくさに関係しています。 例えば、保存性の高い食品として知られるジャムも糖度が高く、一般的なジャムでは65%以上あります。高い糖度による浸透圧の働きで、雑菌が繁殖しにくくなります。ニンニクも適切な冷蔵保存やCA貯蔵を行うことで、青果として長期間保存できます。 中国では冷蔵技術の進歩や電気代の安さもあり、2年程度冷蔵保存されることもあるようです。そのことから投機対象にもなり、近年のニンニク市況の高止まりを助長する一因となっています。 ここまで読むと、ひとつ疑問が出てきます。 糖度が高く、腐りにくく、冷蔵すれば長持ちする。それなのに、なぜ「種子」としての寿命は短いのでしょうか? 「食べられる期間」と「種子として使える期間」は違う その理由として考えられるのが、水分量です。一般的な野菜の種子の水分量が3〜7%程度なのに対し、ニンニクは13〜15%程度あります。糖度は高いものの、長期間「種子」として保存するには水分量が多いのです。 例えば、同じイカでも、しっかり乾燥させたスルメイカは長持ちしますが、水分の多い一夜干しはそれほど長く保存できません。ニンニクにも、これと似た考え方が当てはまります。 ニンニクの種子としての寿命については推測を含みますが、単純に「発芽するかどうか」だけで考えれば、冷蔵保存で2〜3年程度と考えられます。しかし、「栽培に適した種子」として考えると1年以下、正確にはさらに短いと考えています。 5〜6月頃に収穫したニンニクを、その年の秋に植え付ける。これが種子として最も適した使い方だからです。 青果用ニンニクを植えるとどうなる? 「植えたのに芽が出てこない」 「発芽する時期にバラつきがある」 「二次成長が多く発生した」 こうしたケースでは、青果用として管理されたニンニクを種子に使ったことが影響している可能性があります。難しいのは、種子用ニンニクと青果用ニンニクは、外見だけでは区別がつかないことです。 スーパーなどで販売されているニンニクでも、植えればそのまま収穫できる場合はあります。一方で、うまく育たなかったり、全滅したりするリスクもあります。また、種子用として販売されていても、実際には青果用と同じような管理をされたニンニクが使われているケースも見られます。 では、なぜ青果用として保存されたニンニクは、種子として使う場合に注意が必要なのでしょうか。 そのポイントになるのが、「温度」です。 ニンニクの成長には2つの「スイッチ」がある ニンニクが正常に育つためには、「鱗片分化」と「花芽分化」という2つの重要な過程があります。 鱗片分化とは?鱗片分化とは、ニンニクの球が一片一片に分かれて形成されていく過程です。系統や栽培地域によって違いがあるため一概にはいえませんが、定植後の積算温度などによって時期が決まるともいわれています。 つまり、温度の積み重ねがスイッチのひとつになります。 花芽分化とは?花芽分化には低温が大きく関係します。ニンニクが一定期間低温にさらされることで、その後の花芽形成が促されます。このように低温によって植物の生育段階が進む現象を「バーナリゼーション(春化)」と呼びます。 こちらは、低温がスイッチになります。 この2つのスイッチが意図しないタイミングで入ってしまうと、正常なニンニクとして育ちにくくなる場合があります。 スポンジ球や二次成長につながることも 温度などの影響によって生育のスイッチが正常に働かないと、「スポンジ球」や「二次成長」といった生理障害を引き起こすことがあります。 スポンジ球は「不結球葉状化」とも呼ばれ、ニンニクが正常に鱗片へ分かれず、タマネギのような形になってしまう現象です。 二次成長が起こると、正常な球が形成されにくくなり、商品価値にも影響します。 特に青果用として長期間保存されたニンニクを種子として使用すると、二次成長が現れやすくなることがあります。だからこそ、種子用ニンニクでは、収穫後の温度管理や乾燥方法が重要になります。 青果用と種子用では「温度管理」の目的が違う 青果用ニンニクでは、収穫後に加熱して高温で乾燥させ、低温で保存し、検品や箱詰め作業では再び常温環境に出すことがあります。 つまり、 高温 → 低温 → 常温 と、ジェットコースターのように経験する温度帯が変化します。 青果として品質を維持するためには必要な管理でも、種子として考えた場合、この温度変化によって鱗片分化や花芽分化の「スイッチ」が意図しない形で入ってしまうリスクがあります。そのため、食べるために適した保存方法と、植えるために適した保存方法は同じではありません。 種子用ニンニクを選ぶときは、見た目だけではなく、収穫後にどのような温度管理が行われてきたかも大切なポイントになります。 菜園おおのはらの種子用ニンニク 菜園おおのはらでは、収穫してから皆さまのお手元に届くまで、種子としての品質を考えた温度管理を行っています。地域を村レベルまで限定し、さらに生産者単位で仕入れることで、青果としての長期保存以上に種子として適した温度管理を優先しています。 目指しているのは、発芽率が高く、スポンジ球や二次成長などの生理障害が発生しにくい種子用ニンニクをお届けすることです。ニンニクは見た目だけでは、種子用と青果用の違いを判断することができません。 だからこそ菜園おおのはらでは、「どんなニンニクか」だけではなく、「収穫後にどのように管理されてきたか」まで含めて、種子の品質だと考えています。 種子用ニンニクが届いたら、どう保管する? ご購入いただいた種子用ニンニクが届いたら、植え付けまでは風通しがよく、雨や直射日光の当たらない場所で保管してください。納屋などで保管する場合も、締め切って高温になる場所は避けましょう。また、家庭用冷蔵庫には入れないでください。 時間がある方や保管状態が心配な方は、届いた状態のままにせず、通気性のよいキャリーやコンテナなどに移し替えていただくと、より安心です。 種子用ニンニクは、植え付けるまでの管理も大切です。その年に収穫した種子を、その年の秋に植える。そして、植え付けるその日まで適切な環境で保管する。良いニンニクづくりは、畑に植える前から始まっています。   ここまで見てきたように、ニンニクはどのような環境で管理されてきたかによって、その後の発芽や生育に影響が出ることがあります。 見た目だけでは種子用と青果用の違いを判断することは難しいため、価格や大きさだけでなく、収穫後の管理方法まで確認して、栽培に適した種子を選ぶことが大切です。 今回ご紹介した内容を参考に、ぜひニンニクの種子選びに役立ててください。